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バリ島の正月風物詩「オゴオゴ」、3年ぶりに復活

毎年「動くオゴオゴ」を制作しているデンパサール市内南ナンカのタインシアッ地区

毎年「動くオゴオゴ」を制作しているデンパサール市内南ナンカのタインシアッ地区

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 バリ島の正月「ニュピ」の前夜に悪霊をかたどった大きな人形を担ぎ街なかを練り歩く「オゴオゴパレード」が3月2日、2019年以来3年ぶりに復活する。

タインシアッ集会場に飾られている迫力あるオゴオゴの頭

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 オゴオゴとは、長くとがった歯、長く伸びた舌など悪霊独自の特徴があり、青年団や子どもたちによって地域ごとで作られバリ中の邪気を払い清め、新しい年を静かに迎えるという意味がある。

 バリ州政府は今年に入りオゴオゴの開催を決定したが、その後バリ島でも新型コロナウイルス・オミクロン株の感染者急増のため、一変して「開催中止」の判断を下した。しかしその直後、青年団や市民からの抗議が殺到したことから、人数制限などの感染対策やワクチン接種済者の参加を義務付けるなど条件付きで開催することが2月に入り決定した。

 通常オゴオゴの制作には数カ月かかるため、2020年に日の目を見ることができなかったオゴオゴを使う地区も多く、ゼロから制作を始めた地区は毎晩、急ピッチで作業を進めている。ガムラン演奏の練習も並行して行われ、夜になると久しぶりにガムランの音色がバリ島各地で響き渡っている。

 バトゥブラン村に住むプトゥさんは「オゴオゴはバリヒンズー教にとって大事な伝統行事。例え小規模開催であっても、3年ぶりにオゴオゴを復活することができるのは本当にうれしい」と、待ちに待ったオゴオゴ開催を心から喜ぶ。

 今年のニュピ(バリ暦の元日)は3月3日。「静寂の日」と呼ばれるこの日は、人々は新年を静かに清らかに過ごすため、外出が禁じられているほか、電気の使用なども禁止されている。大変珍しいバリ島の風習である。

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