バリ島東海岸に位置するギャニャール県サバ村プリンビーチで3月4日早朝、ゴミボランティア団体「トラッシュヒーロー」による新年の祈とうと海岸清掃が行われた。

初日の出

　今年のバリ暦の元日「ニュピ」は3月3日。「静寂の日」とも呼ばれるこの日は外出禁止の他、火や電気の使用、仕事など通常の活動も基本禁止されている（バリヒンズー教の人々は祈りも含まれる）。そのため、ニュピが明けた翌朝が「初日の出の祈とう」となる。

　ニュピが明けた4日早朝、サバ村プリンビーチには海から昇る初日の出を見に訪れる多くの人の姿があった。そしてこのエリアを拠点として活動しているのが、ゴミボランティア団体のトラッシュヒーロー・インドネシア・サバである。

　トラッシュヒーロー・インドネシア代表のワヤン・アクサラさんは「地球環境を守ることは私たち人間の責務。神々への祈りはバリ島の伝統。伝統と環境保護を合わせた活動を行うことは、私たちメンバー個々の意欲の向上につながる。その姿を見た人たちがにゴミ問題に対して少しでも関心を持つようになってもらえれば」と話す。

　同団体メンバーのヌガさんは「活動している仲間の多くは観光ガイドなど旅行業に携わっている人が多く、今もなお厳しい状況が続いている。新しい年は、外国からの観光客がたくさん戻ってくるよう、またバリの人々のゴミに対しての意識が少しでも変わり美しいバリ島になるように、と祈った」と言う。

　トラッシュヒーローは現在世界25カ国で活動を展開しているゴミボランティア団体。インドネシア国内では75カ所の拠点があり、その約半数の32カ所はバリ島にある。清掃活動の他、啓発活動にも力を入れている。