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バリの森を守ろう! 日本人とバリ人による森林復元活動、今年も始まる

緑豊かなイメージとは裏腹にバリの森林減少と水不足は深刻だ

緑豊かなイメージとは裏腹にバリの森林減少と水不足は深刻だ

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 本格的な雨期に入ったバリ島で12月、日本人とインドネシア人たちによる毎年恒例の植林活動が始まった。

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 緑豊かな常夏の島バリでは森林面積の減少が問題となりつつある。住宅やリゾートの開発が進み、農地として森林はどんどん切り開かれ、森林率が急激に下がっている。

 特に「バリの水がめ」と呼ばれるバトゥール湖周辺は最も深刻な地域として知られている。ここ100年の間に2度の噴火があったバトゥール山の麓にある同湖の水位は年々低下。これも森林の減少が原因の一つとして考えられている。噴火で流れ出た溶岩に森林は飲み込まれ、残った森も住宅地や農地のために、さらには人々の生活用の薪(まき)として次々と伐採されているのだ。住民430万人と多くの旅行客が使う生活用水は、山間部での豊富な降水量が生み出す地下水脈によって賄われている。しかし山間部での森林減少はその保水能力を失わせる。近年、乾期の水不足は悪化の一途をたどっている。

 バリを愛し移住してきた日本人たちは、この問題にいち早く取り組み始めた。環境保全意識の低いバリの人々に森林の大切さを訴え、雨期には植樹イベントを繰り返し、その回復に努めている。バリ在住の日本人だけでなく、JICA、山口大学、NPOアジア植林友好協会などの団体も参加。地元バリ側も政府関係者や県職員、さまざまなNPO団体や企業の参加だけでなく、ウダヤナ大学や各中学・高校の生徒たちも環境問題に取り組むグループを結成し、毎回数百人規模で参加している。

 植林に参加した在デンパサール日本総領事の野村さんは「自然と人間、神が調和して、いい暮らしをつくり上げるというバリで多くの人たちが集い、森を守り育てる活動を行っているのは素晴らしいこと」と話す。

 今年インドネシアは例年にない高温で多くの森林火災が発生。火山噴火が相次いだこともあり、広大な面積の森林が失われている。年内の植林イベントは27日が最後。年明け後も雨期の間は植林活動に取り組む予定。

植林イベントの問い合わせは「バリの森を考える会」代表の光森さん(n-mitumo@da2.so-net.ne.jp  TEL 081337351495)まで。

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