クタビーチに面した「ザ・ストーンズホテル・レギャン」（Jl. Raya Pantai Kuta, Legian）が今年も、バリ島の元日をホテルで過ごす2泊3日の宿泊パッケージプラン「サイレント・リトリート」を販売した。

ホテル内のプール

　伝統文化や風習が色濃いバリ島はバリヒンズー教独自の暦を持つ。その暦でいうと今年は3月11日がバリヒンズー教の元日「ニュピ」に当たる。「静寂の日」と呼ばれるこの日は外出が禁止されているほか、電気や火の使用、騒音なども禁止され、人々は清らかな新年を静かに過ごす。他教徒や外国人であってもバリ島内にいる全ての人が対象となる。そのため、このニュピが近づくと、バリ島中のホテルが「ニュピ・パッケージ」を販売する。

　クタビーチが目の前に広がる「ザ・ストーンズホテル・レギャン」でも2泊3日の宿泊プラン「サイレント・リトリート」を販売。チェックインは大みそかの3月10日。翌日のニュピはホテルから一歩も外へ出ることはできないため、宿泊客は終日ホテル内で過ごすことになるため、さまざまなサービスやプログラムを用意している。ただ、ホテルであっても最低限のニュピのルールは守らなくてはいけないため、プールやプールバー、キッズクラブやジムの利用時間は18時までとなる。

　以前は、在住外国人などはこの時期になるとバリ島を離れる人も多く、観光客もニュピを避けてバリ島旅行する人が多かったが、近年では島内のホテルで販売するニュピパッケージが充実していることや、この独自の風習自体を体験するためにあえてこの期間を選んで訪れる観光客も増えてきている。

　ニュピ前日の大みそかに行われる、悪霊をかたどったみこしが練り歩く「オゴオゴ・パレード」は人気を集める。午後になると各地で交通規制が敷かれ、パレードは17時過ぎに始まる。クタ地区にある同ホテル前の通りも通行止めになるため、早めのチェックインを呼びかけていた。

　今年のバリ島は、3月9日が送り盆に当たるクニンガンで、その翌日の10日が大みそか。そして11日が元日という、まさに盆と正月が一緒に来たような慌ただしい3月となった。