バリ島サカ暦の新年前夜、日本の大みそかに当たる3月26日、バリ島サヌール地区の広場で児童舞踊団がバリ伝統舞踊を披露した。
この日は新年を迎えるための清めの儀式であるクサンガがバリ島中で行われた。同広場ではこのクサンガを祝うため、子どもたちが集まってバリ伝統舞踊を披露した。
踊りを披露したのは「Sangar Tari Taksu Kumara 児童舞踊団」の子どもたち。「子どもたちに人と人、心と心がつながることの喜びを忘れずに育ってほしい」という願いから設立された同舞踊団。そこには携帯電話の接続時間が世界一とも言われるインドネシアならではの事情がある。
バリ島でも大人だけではなく小さな子どもたちまでが携帯電話を所有し、ネットの影響を受けながら生活している。特に子どもたちについては友人と接しながら学んでいく社会順応性に危機を感じる親も少なくない。こうした親たちの懸念から自治体と婦人会が協力して2015年、地域の子どもたちを集めてバリ伝統舞踊の稽古を始めた。現在では週2~3回、クラスを開いている。