バリ島バンリ県プンリプラン村の伝統家屋が集まる集落で2月25日~3月4日の1週間、専修大学人間科学部の菱山宏輔教授率いる研究チームがウダヤナ大学の教授と共に伝統緑地の研究調査を行った。
バンリ県プンリプラン村にある集落はバリ島の昔ながらの伝統家屋が残る場所。現在は「伝統観光村」として国内の観光客を中心に人気を集めている。
菱山教授は2004年からバリ島社会の変化について研究しており、地域のセキュリティーや住宅開発に着目してきた。現在、研究対象としているのがバリ島の伝統緑地「テラジャカン」。バリではよく見かけられる家屋敷の塀の外側にある小さな庭を指す。今回は研究調査を補佐する、大山智輝さん、片岡龍弥さん、關根槙さんのゼミ生有志3人と共にバリ島を訪れ、伝統集落全域のアンケート調査や住民へのヒアリングなどを行った他、バリ島各地を訪れた。
菱山教授は「昨今、持続可能性という言葉が注目されグローバルな視点のみが先行することがあるが、バリ島の社会は古くから既にローカルな場面でそのような価値観を保持してきた。テラジャカンはそれを体現するもの」と研究対象について語る。同行した学生たちについては、「現在ますます閉鎖的で排他性を強める方向に向かいつつある日本に住んでいるからこそ、バリ島が持つ多元性・多様性と、それらの絶妙なバランスから刺激を受け、将来に役立ててほしい」と期待を込める。
ゼミ生の片岡さんは「短い時間だったがウダヤナ大学の学生や児童養護施設の子どもたちと触れ合い、言葉の壁を越えて笑顔でつながることができ、うれしかった。ぜひ、またバリ島を訪れたい」と話していた。