ギャニャール県ボナ村に1月27日、日本人高齢者を対象にしたシニアハウス「メサリ・ヴィレッジ」(JL Br. Pasdalem, Belega, Blahbatuh, Gianyar)がオープンする。
年間を通して寒暖の差があまりなく、異文化でありながら日本人にとってどこか懐かしさを感じさせる常夏の島バリ島は、退職後の新たな人生の移住先としても人気があり、多くの日本人がリタイアメントビザで暮らしている。しかし近年のバリ島は年々物価が高騰しているため、年金生活者の日本人移住者にとっては決して暮らしやすいとはいえない環境だ。周囲との距離を置き暮らすことを望む人も少なくなく、一方で迫り来る「老いに漠然とした不安を抱える」一人暮らしの日本人も多い。
そうした中、在住日本人向けシニアハウス「メサリ・ヴィレッジ」が誕生した。部屋はテラス付のデラックス・ルームとテラス無しのスタンダード・ルームの2つのタイプがあり、ベッドは希望により介護用ベッドを選ぶことができる。長期滞在のほかショートステイでも利用可能。24時間体制の診療所も併設する。
介護技能実習生として日本の介護施設で働き、バリ島に戻ってきたばかりのスタッフ3人いるのも特徴。スタッフらは日本での経験を生かし他のスタッフに日本式の介護の仕方や日本語も教えるなどして、日々サービスの向上を図っているという。日本から戻ってきた介護技能実習生の再就職先としても大事な受け皿となる役割を持っていることから、技能実習制度が本来あるべき姿で生かされる場にもなっているという。
オーナーの妻・夕子さんは、今までバリ島で暮らす何人もの一人暮らしの日本人の世話をし、みとってきた経験を持つ。現在は自身も認知症の寝たきりの実母と共に暮らしている。「ここは、バリ島を人生の終焉(しゅうえん)の地として選んだ方々が一人ぼっちではなく安心して過ごせることのできる場となっている。アットホームで一人一人に寄り添う温かみのあるサービスを心がけている」という。
メサリ・グループはシニアハウスや診療所の他にも、ホームケア、アピエケアなどの巡回ケアや長期滞在ビザのエージェントの紹介なども行っている。今後は敷地内に日本人専用のシェアハウスも建設予定。