バリ島サヌールのタンジュンサリで12月20日、仮面百科事典「マスク・オブ・バリ」の出版記念イベントが行われた。
舞踊家で舞踊学者のマデ・バンデム教授と美術史家のブルースWカーペンターさん、写真家のドディ・オベンさんの3人が4年の歳月を費やして完成させた同書は、インドネシアで初となる仮面の記録歴史書。出版に当たっては、インドネシアのジョコウィ大統領が序文を書いている。
数千あるとも言われるバリ島の寺院で、宗教儀式で奉納舞踊の一つとして欠かすことのできない仮面舞踊。同書では、15世紀から20世紀初頭に宗教儀式で使われたバリ島各地に残る約1000点にも及ぶ貴重な仮面の数々を紹介している。中には、普段は決して見ることのできない非公開の特別な仮面の紹介もあり、民俗学者や歴史学者、芸術愛好家や舞踊家からも関心が寄せられている。
写真家のドディさんは「仮面彫刻家が作り出す神聖なマスクを、製造工程などさまざまな角度から紹介している。このような素晴らしい本を出版できることに大変感謝。バリ島の仮面の歴史書として世界の人々に良いインスピレーションを与えることができれば」と話す。
同書は、公式ウェブサイトや一部書店で扱う。海外では、シンガポールのタリスマンやBarnes and Novelsなどの書店のほか、アマゾンでも扱う。
2023年初頭にはジャカルタでの出版記念式典も行われる予定。