バリ島バドゥン、タバナン、ヌガラの3県13郡58村をまたぐ総延長96.8キロに及ぶ有料道路「ジャガ・ケルティ」建設の着工式典が9月10日、ヌガラ県のプクタタン郡にある広大なバリ州有地で行われた。
工事は、第1区間のギリマヌクープクタタン間53,6キロ、第2区間のプクタタンーソカ間24,3キロ、第3区間のソカームングウィ間18,9キロと3区間に分け始まった。
現在、バリ島西部の玄関口であるギリマヌクとデンパサールを結ぶ幹線道路の国道1号線はジャワ島からの大型トラックや観光バスの往来で渋滞や事故も多く、ギリマヌクからムングウィまでは通常5~7時間もかかる。この有料道路が完成すると1,5~2時間となり大幅に短縮されることになる。
式典が行われた州有地は、かつて州営のカカオ農園やゴムの木農園などがあり、多くの地元住民が働き、社員は敷地内にある住宅エリアの借地を与えられ、そこに家を建て暮らしていた。会社がなくなった後も元社員家族らはそこで住むことを許可されていたが、今回の有料道路建設に伴い州有地に住む131世帯全ての住民は10月22日までに立ち退くこととなっている。
完成は2028年を予定しているが、式典で公共事業・国民住宅大臣のバスキ大臣は「世界の観光地であるバリ島の有料道路は最高の品質と美しさの両方を考慮し、かつスピーディーに行う必要がある」と、2025年の完成を望んだ。
この有料道路は自転車と歩行者用のレーンも備えたインドネシアで初めての有料道路となる予定。バリ島西部には豊かな大自然が残る国立公園や温泉などもあり観光客の増加も見込まれることから、ヌガラ県の観光地としての経済発展にも期待が寄せられる。