バリ島東部に位置しダイビングスポットとしても知られるトランベンが雨期に入り、ウミウシの産卵が頻繁に見られるシーズンを迎えた。
水深10~20メートルに1センチにも満たない極小ウミウシを現地ガイドが探し出し、大きなカメラを持ったダイバーが撮影に没頭することも多くなるこのシーズン。その鮮やかな色のウミウシに魅了されるダイバーは少なくない。
バリ島には雨期と乾期、2つの季節がある。雨期は11月~3月ごろ。この季節になると、岩やコーラルに花のような形で渦巻き状のものがあちこちに見られるようになる。それがウミウシの卵だ。運が良ければウミウシたちの交接シーンに出合うこともある。海から上がったダイバーたちが撮ったばかりの写真をお互いに見せ合ったり、情報交換していたりする姿も見掛けられる。
トランベンは世界でも有名なダイブサイトの一つである。120メートルもある沈船リバティー号(アメリカの貨物船)は圧巻で、その周囲は魚影が濃く、トランベンで一番人気のスポット。見られる魚は、ウミガメ、カンムリブダイの群れ、バラクーダ、ナポレオンフィッシュなどの大物からマクロと呼ばれる小生物、ピグミーシーホース、珍しいウミウシ、フロッグフィッシュ、ハゼ、エビ、カニまでバラエティーに富んでいる。