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バリ島、学生環境ボランティアが「地球の日イベント」でマングローブの苗木植林

マハサラスワティ大学 環境ボランティアグループ「クリーンアップバリ」の学生たち

マハサラスワティ大学 環境ボランティアグループ「クリーンアップバリ」の学生たち

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 4月22日の「アースデイ」にちなみ17日、バリ島にあるデンパサール・マハサラスワティ大学の環境ボランティアグループ「クリーン・アップ・バリ」がSDGsの環境学習の一環としてマングローブの植林を行った。

カヌーに乗って移動

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 同日午後の干潮時に、南デンパサール、スウォン・カウ地区にあるマングローブ林(Kawasan Hutan Mangrove Suwung Kauh, Denpasar Selatan)で、マハサラスワティ大学の学生環境ボランティアグループによるマングローブの植林イベントが行われ200本の苗木が植えられた。

 インドネシアは世界最大の面積のマングローブ林がある国。一方で、そのマングローブ林が破壊されるスピードもまた世界最速で進んでいる国とされ、環境破壊が深刻化している。バリ島でもマングローブの植林は頻繁に行われているが、成長できる確率は5~6割ほど。成長できない理由として、奥まった場所で植えられていないものは満潮時に波に流されやすいほか、漂着ゴミが引っかかり苗木が育たないことなども挙げられる。そのため継続的な植林活動が必要となる。

 このエリアを管理している漁師組合のクトゥッ・ダルサナ会長は「ここは1980年代頃まではエビの養殖場でマングローブはどんどん破壊されていた場所だが、現在は広範囲に及びマングローブ林を再生することができた。今までは社会人による植林活動イベントを多く行ってきたが、今回を機に学生たちとの継続的な活動ができることを望む。マングローブは多様な生態系を維持するだけでなく、私たち人間にとっても欠かせない重要な存在であることを伝えるためにも、もっと多くの人たちにここへ訪れてほしい」と、マングローブ林の観光地化を図りながら保全活動をしていきたいという。

 今回参加した学生ボランティアのリーダー、アンディカ・プラナタさんは「ぬかるんだ足場での植林は多少不安もあったが、カヌーに乗ってポイントまで行き、仲間と共にマングローブの苗木を植林できたのは楽しい体験だった。マングローブの成長率を高める植え方や植える場所なども教えてもらい勉強になった。これからもバリ島の環境問題に向き合い、自分たちにできることを探りながら活動を続けていきたい」と話す。

 マングローブ林は多様な生態系を守る他、海からの風や波による海岸浸食を防ぐ防災効果もある。海水をろ過し二酸化炭素を吸収するため、地球温暖化防止にもつながる方法の一つとしてマングローブ林の再生・保全が世界中で行われている。

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