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搭乗数1700万人超 限界に近づきつつあるバリ国際空港

混雑を極めるバリの空に光明は差すか?

混雑を極めるバリの空に光明は差すか?

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 バリ国際空港の発表によると、2015年の同空港における発着便数は12万5640便、搭乗者数は1704万6054人に上った。

激増したバリ国際空港の搭乗客数・発着便数

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 2014年度より3%の減少だが、これはラウン山とバルジャリ山の噴火による空港閉鎖の影響によるもの。2016年にかけての年末年始には180もの臨時便が着陸した。そのほとんどがLCCによる国内便「ジャカルタ発バリ行き」だ。

 バリ国際空港(正式名イ・グスティ・ングラ・ライ空港)は2013年のAPECに向け拡張工事を行い、現在の姿になった。利用者数1800万人が限界ともいわれているが、すでにその数字にほぼ達している状態だ。1993年には約400万人だった利用者数は、わずか20年で4倍以上になった。

 たった1本の滑走路でこれだけの数字をさばくことはインドネシアでは驚きに値する。日本の福岡空港や那覇空港が同様に滑走路1本でバリ国際空港と同規模の旅客数をさばいているが、それは日本の高度な管制技術と航空会社の運航能力に支えられているからこそ成立しているともいえる。さらなる発着数・利用者数の増加に対応するため、那覇では新滑走路の建設工事に着工し、福岡でも計画が進んでいる。

 バリでも滑走路増設は待ったなしの状況。バリは日本と違い、公共交通機関が皆無と言っていい。しかも主要な繁華街や観光スポットが南部の空港周辺に集積しており、おまけに路幅も狭く道路事情は最悪だ。自動車の数も毎年10%以上増えており、慢性的な渋滞に悩まされている。

 こうした事情を背景に、現空港での滑走路増設ではなく、新たな空の玄関口の新設という思い切った案を望む声も多い。島の北部ブレレン地域のクブタムバハンなどが第2空港の候補地として挙げられている。

 これまでは国際線利用者が圧倒的に多かったバリ国際空港だったが、ついに国内線利用者との数字が逆転した。経済成長とともに「空の旅」が中間層にも手が届くようになり、今後ますます空港利用者は増えていくことだろう。早急な解決策が期待される。

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