全工程が手仕事で行われるインドネシア伝統工芸であるバティック製作体験が人気を集めている。
インドネシアのろうけつ染めとして広く知られている古代ヒンドゥ ジャワ王国の王宮文化を起源とするバティック。2009年10月2日にはユネスコ世界無形文化遺産にも登録。2011年、ユドヨノ大統領がバティック推進宣言を誓い、政府主体でバティック製作技術などを積極的に支援している背景もあり、日常生活の中に溶け込めるバティック生地を使った普段着も見かけるようになった。
バリ島には有形・無形の世界文化遺産が数多くあり、異国の歴史にほんの少し触れる事ができる体験教室は日本からの旅行客にも人気が高まっている。中でもバティック体験は大人が長期で学ぶ本格的なものから小さな子どもがバリ島旅行記念で体験できるワークショップまで、さまざまなものがある。
バティック製作は布地に下絵を自分で描いてから絵筆や専用具を使い、色を染めたくない部分を溶かした蝋でカバーし、染料を布地に載せていくまでをワークショップで体験する。定着液で色を定着させ、蝋を取り除く仕上げの工程はスタッフが行い、宿泊先まで届けてくれる。
バティックアーティストのYukaさんは「自由に表現できるバティックに魅力を感じる。自分の世界観を表現するだけにとどまらず、顧客のニーズに応えながら子どもの感性も積極的に自身の作品に反映させ、若いインドネシア人にも積極的にアプローチしたい」と思いを語る。