バリ島バドゥン県アビアンスマル地区のホリスティックセンター「Fivelements」で5月20日、「アグニホートラ(Agnihotra)」が開催された。
アグニホートラは「癒やしの炎」を意味し、ヒンズー教の経典にもある炎のセレモニー。約350年の歴史があるといわれている。
この日の参加者は欧米人を中心におよそ50人。同センター内の会場に設けられたいろり形の炉を囲むように車座になって瞑想(めいそう)した。その後、僧侶たちが参加者を回ってホーリーウオーターと呼ばれる聖水を参加者の頭に振り掛け、ヒンズー教のお守りの糸「Tri Datu」を手首に結び、額に朱色の粉を施した。僧侶が鈴を鳴らしながらサンスクリット語のマントラを唱える中、炉に火がともされると、参加者は「ソワカー」の掛け声とともに炉に向かって穀物を投げ入れ、火はやがて大きな火柱となった。
アグニホートラは癒やしや浄化の効果があると信じられており、住民の90%以上がヒンズー教徒で日々の祈りを欠かさないバリ島でも特別なセレモニーとされている。