演出家で俳優の流山児祥さんが主宰する劇団流山児★事務所の舞台「西遊記」のバリ島公演が3月23日、「GEOKS Art Space」で開催された。
舞台「西遊記」は昨年10月に日本公演をスタート。各地を巡演した後、今年3月からインドネシアのジャカルタ サリハラ劇場、ジョグジャカルタ芸術公園、ボルブドゥール野外テントでの公演を行っている。バリ島公演の会場となったGEOKS Art Space(Jl. Raya Singapadu No.87)は満員となる200人の観劇ファンが集まった。当日は満月に当たり、バリ島各地では祈りをささげる儀式が盛大に行われており、同公演も幻想的な雰囲気に包まれる中、行われた。
16世紀に書かれた伝奇小説「西遊記」を基にした同舞台には、孫悟空を始め猪八戒(ちょはっかい)、沙悟浄(さごじょう)、三蔵法師など、おなじみの面々がステージ狭しと大暴れし、言葉の壁を感じさせない構成で観客を笑いと拍手の渦に巻き込んだ。
ムーンライダーズの鈴木慶一さんが音楽を担当している点も見どころの一つ。作・演出は天野天街さんが手掛ける。同劇団主宰で芸術監督の流山児祥さんは「バリ島で日本の現代演劇を上演するのは初めてのことだろう。子どもからお年寄りまで私たちの演劇が受け入れられたことにとても感動した。日本演劇の持つエンターテインメント性と芸術性の高さが証明されたと思う。必ずまた来る」と話す。
同公演はこの後、3月27日~29日の3日間、タイ バンコクのチュラロンコン大学で行う予定。