
バリヒンズー教の元日「ニュピ」が明けた直後の3月30日、プラダレム・マヤ・ブラバトゥ寺院に祭られているご神体を海で清める宗教行事「ムラスティ」がプリンビーチ(Pantai Pering, Kec. Blahbatuh, Gianyar)で行われた。
バリ島の宗教行事や儀式などは西暦とは異なる独自の暦にのっとって行われ、特にバリヒンズー教の新年「ニュピ」は独特な風習がある。前日の大みそかは夕方から各家庭で邪気をはらう儀式が行われ、悪霊をかたどったみこしが練り歩く「オゴオゴ・パレード」などがあり、バリ島中が「浄化」される。
そして迎えた新年は「静寂の日」と呼ばれ、朝6時から翌朝6時までの24時間、一切の外出や労働、火や電気を使うことなどを禁止し、人々は清らかな新年を静かに過ごす。これはバリ島内にいる全ての人が対象となり、飛行機の離発着もないため空港は閉鎖され、その名の通り、バリ島が静寂に包まれる。
寺院のご神体を海で清める宗教行事の「ムラスティ」は通常ニュピの3日前に行なわれることが多いが、ブラバトゥ村にあるプラダレム・マヤ・ブラバトゥ寺院では数十年に一度という大きな創立祭が3月9日に始まり、ムラスティの行事はニュピが明けた直後の3月30日にプリンビーチで行われた。
朝6時にニュピが明けると外へ出ることが許されるため、人々はいつもの日常に戻る。儀式が行われたプリンビーチにもまた6時30分には既に多くの人が準備していた。ご神体をトラックの荷台に載せて運び、村人たちが一斉に到着したのは9時30分ごろ。高僧も到着し、大きな供え物が船で海上に運ばれ儀式が厳かに行われた。
今月12日にはブラバトゥ村の全ての寺院のご神体をはらい清めるという、今回よりもさらに大きなムラスティの儀式が同じ場所で行われる予定。