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バリ島の処理場に有機性廃棄物を処理する日本製コンポストプラント導入

導入されたスクリュー型コンポストプラントRA-X

導入されたスクリュー型コンポストプラントRA-X

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 バドゥン県ムングウィ郡のTPSTムングウィタニ総合廃棄物処理場(Jl.Mengwi-Mengwitani、Badung)で有機性廃棄物の減量化と再資源化を目的とするコンポストプラントが完成し、10月22日、竣工式典が行われた。JICA普及実証事業として、富山県の石橋が大型のスクリュー型コンポストプラントRA-Xを設置した。

竣工式典の様子

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 クタやヌサドゥア、ジンバランといった人気観光地を抱えるバリ島の中心都市バドゥン県は、近年の急激な人口増加や経済成長、観光客の増加とともに深刻なごみ処理問題に直面している。特に生ごみや草木はごみ全体の60~70%を占め、その多くは分別されずに最終ごみ処分場へ運ばれるため、腐敗や悪臭など衛生上の問題や地下水汚染などの環境汚染の原因にもなっている。その改善に向け、JICAから委託を受けた、富山市で廃棄物処理やビルメンテナンス、環境事業などを手がける石橋が4月から、バドゥン県と共に取り組んできた。

 同県ムングウィ郡にある2.6ヘクタールの広さを持つTPSTムングウィタニ総合廃棄物処理場に新たに建設された1800平方メートルの建屋に、日本製のスクリュー型コンポストプラントRA-Xを設置。石橋のプロジェクトチームが渡航し、10月上旬から現場担当者にプラントの基本原理や運転方法、運用のノウハウを指導している。

 同施設は最大で1日50トンの生ごみや有機性廃棄物の処理が可能。バリ島内で採取した材料で独自開発した発酵促進剤を散布し、水分調整しながらRA-Xによる攪拌(かくはん)・切り返しとエアレーションを併用することで、通常2カ月を費やすところ、わずか半月程度でコンポストができ上がる。稼動を始めたばかりの現在は、施設近郊にある5カ所の中間ごみ処理施設で分別された有機性廃棄物と、レストランやホテルなどから民間事業者が収集した生ごみが搬入されているが、将来的にはバドゥン県内全域の家庭で分別された生ごみも搬入される見込み。

 竣工式には、インドネシア政府やバドゥン県政府、バリ州環境局、島内各県の環境局職員が出席した他、日本側からは石橋の石橋隆二社長はじめ、JICAインドネシア事務所の竹田幸子所長、在デンパサール日本国領事館の宮川勝利総領事、藤井裕久富山市長らが出席し祝辞を述べた。

 同プロジェクトは2027年2月まで実証事業を行い、深刻化を増すバリ島のごみ問題の解決策の一つとして期待されている。

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