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マス村で無形文化遺産の早池峰岳神楽 6年ぶりにバリ島公演

月夜の晩に浮かび上がる野外ステージ

月夜の晩に浮かび上がる野外ステージ

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 バリ島マス村にある仮面博物館「ルマ・トペン(Setia Darma House of Masks and Puppets)」(Jl. Tegal Bingin, Banjar Tengkulat Tengah, Kemenuh, Sekawati )で10月12日・13日の2日間、岩手県花巻市大迫町に」伝わる早池峰岳神楽の公演とワークショップが行われた。

獅子の舞「権現舞」

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 早池峰岳神楽は、早池峰山を霊峰として仰いだ山伏修験者が演じ伝えたものが始まりとされ、500年以上の歴史と伝統を持つ神楽。1976年に国の重要無形民族文化遺産に指定され、2009年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されている。

 ルマ・トペンは、バリ島やインドネシア各地の伝統的な仮面や人形などを数多く展示している仮面博物館。同施設は2018年から早池峰岳神楽保存会との交流があり、2022年には施設内に同神楽を中心に日本の能楽の衣装や仮面などを展示する「日本パビリオン」が完成した。完成式典はコロナ禍で渡航ができなかったため、同神楽保存会会長が動画で祝辞を述べた。

 今回、2018年以来6年ぶりに早池岳神楽保存会11人のバリ島訪問が実現した。一行は、神楽の衣装などが展示されている日本パビリオンで岳神楽式の落成式を行ったほか、12日にワークショップ、翌13日に公演を行った。14日には日本語補習校で、子どもたち向けのワークショップも行った。

 13日の夜に同施設内にある野外ステージで行われた公演では、在デンパサール日本国総領事官の足立真由子首席領事があいさつ。「日本と仮面博物館が、年がたつにつれ、より交流が深まっていることをうれしく思う。日本とインドネシアの相互理解が一層深まることを願う」と話した。

 早池峰岳神楽保存会の小国朋身(おぐにともみ)会長は、神楽や「これから披露する」3つの舞いについて説明。獅子の舞である権現舞とバリ島に伝わる聖獣「バロン」との共通点を伝え、「この舞は会場の皆さまの家内安全と健康を祈願し舞わせていただく」と話した。

 まず地元の舞踊楽団バリワリがバリ舞踊の歓迎の踊り「タリ・ペンデッ」と老人の舞「トペン・トゥア」を披露。次に早池峰岳神楽の舞台が始まった。野外ステージ中央には竹の柱が4カ所あり、そこにしめ縄の結界が張られ、聖域となったその中で神楽の舞を披露。軽快な神楽ばやしに乗せ、アメノミナカヌシや神々が岩戸の前で踊り隠れた天照大神を外へ誘い出す舞「岩戸開」で始まり、荒々しい舞「注連切」、最後に獅子の舞「権現舞」で来場者や会場全体がはらい清められ、バリ島と日本の人と自然と神々によるコラボレーション・ステージが終了した。

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