バリ島のISI(インドネシア国立芸術大学)で11月24日、巨大竹ガムランの「ジェゴグ・スアール・アグン」と日本の「太鼓芸能集団 鼓童」によるコラボ公演が行われた。
鼓童文化財団による「地方発!!アジア「伝統芸能」の架け橋プロジェクト」による海外公演。スアール・アグンと鼓童の交流は1984年に始まり、スアール・アグンは今年8月、鼓童の本拠地である新潟県佐渡島の「アース・セレブレーション」で共演を果たしたばかり。今回、鼓童からは特別編成班で9人のメンバーが渡航した。
公演は11月22日のヌガラ公演(ジュンブラナ県のヌガラはスアール・アグンの本拠地)と同24日のISIデンパサール公演の2回。両日とも大勢の観客が息をのんで聴き入った。
第1部はスアール・アグンによる演奏。もともとジュンブラナ県の農民の音楽といわれるジェゴグ。農耕用水牛を使った、水牛レースの時に演奏される巨大な竹のガムランだ。その響きは「大地を震わせ、大気を震わせ、聴く者の内臓を、脳髄を、そして精神を震わせる」とされる。途中から鼓童のメンバーが演奏に参加し観客を巻き込んで盛り上がったところで、第2部として鼓童の演奏に。大太鼓の最初の一打で聴衆から歓声が上がり、完成度の高いステージに、バリ島在住の邦人、欧米人、ローカル合わせて1000人以上で埋まった観客席からため息が漏れた。第3部は両者のコラボレーションで、観客の興奮が舞台に反映されたような熱い競演が繰り広げられた。
開会時のあいさつで、スアール・アグン団長のスウェントラさんは「われわれの音楽は田舎から出てきた音楽だが、決して田舎者の音楽ではない」と述べた。いずれも地方発祥の伝統芸能集団だったが、今や世界中の舞台で活躍するプロ集団となっている。