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バリ島からフォードが消える インドネシアから事業撤退、修理・部品交換にも余波

バリ島のフォード販売店は現在も営業中

バリ島のフォード販売店は現在も営業中

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 フォードインドネシアは1月25日、インドネシアからの事業撤退を表明し、「フォードのディーラーシップから車の輸入関連全てに関してストップする予定」とアナウンスした。

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 これに伴い、バリ島からもフォードが撤退する。デンパサールのGOTOT SUBRATOにあるフォード販売店に勤務するJULIAさんによれば、「撤退のニュースは今朝知った。店舗の閉鎖時期はまだ分からない。ジャカルタからの情報を待っているところ」。問題は、すでに販売したフォード車の修理や部品の交換にまで及ぶと見られ、「顧客への対応に追われている」という。一部では新たな代理店が名乗りを上げるなど、状況はいまだ流動的だ。

 バリ島を走る自家用車は現在約37万台。デンパサール市交通局の発表によると、経済成長に伴い自家用車の台数は毎年10%ずつ増え続けている。そうした中、目に付くのはやはりアバンザ(トヨタ自動車)。月間1万2000台(トヨタ自動車のインドネシア現地販売会社トヨタ・アストラ・モーター発表)が販売されるというトヨタ自動車のインドネシアにおける主力車種だ。

 インドネシアは自家用車の実に90%を日本車が占める。中でも自家用車の全登録台数の50%をトヨタが占める、まさにトヨタ王国。フォードなどの外国勢は参入以来、常に苦戦を強いられてきたという歴史がある。フォードの撤退は遅きに失したとの声も根強い。

 バリ島でのトヨタ、特にアバンザ人気の理由はやはり条件の良さだ。長期滞在者や観光客向けにレンタカーとして貸す際も、在住者向けに中古車として販売する際も「最も条件が良い」といわれている。狭い道路に多くの車とバイクがひしめき合うバリ島の道路事情では、接触などの小さな事故は日常茶飯事。修理代金の安さもアバンザ人気の理由の一つ。ただし屋根の修理には80万ルピアがかかる。「ヤシの木の下には車を駐車してはいけない。ヤシの実が落ちてくるから」という南国バリ島らしい理由からだ。

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